BAUER RECORDS

PASSIONNATE LOVE

ALBUM CONCEPT 音楽への情熱的な愛をここに捧ぐ

SOUND CONCEPT あくなきタガワールドの追求

 近年、瞬時に情報収集ができる世の中となったことで、楽曲の作られ方にも大きな変化が見られるようになりました。まず挙げられるのが「前奏・間奏・後奏の大幅な短縮」が顕著で、中にはそれすら削ぎ落としたものも少なくありません。カラオケの普及に始まり、今ではサブスク(subscription)の影響などが多大と思われ、その結果「音楽=歌」という観念を持つ人々が急増している印象を受けます。  裏を返せば、我々ミュージシャン側が「人々を魅了するほどの演奏ができていない」と受け止めることもでき、また、「音楽家たちが“そこ”を目指さなくなった」ようにも感じるのです。耳触りのいいトラックを“コンピュータ依存”でこしらえたら、あとは歌を乗せるだけといった「量産型音楽」の蔓延。これはあくまでも個人的見解です。  これまでの田川作品の中でも『歌(Main Vo.)以外は脇役』という偏重に対する警鐘は絶えず鳴らし続けてきたつもりではありましたが、今作に於いてもその点については何ら変わっていません。しかしながら、ひとたび起こったこの“巨大な時代の波”に少数派でもって抗ったところで押し戻せるはずもなく……であるならば、新たな楽曲を生み出すのであれば「昔は良かった」ではなく「現在に寄り添う」ことの方が賢明かつ健全であるという現時点での結論に至りました。  今作は、これまでの田川伸治“歌モノ3作品”の流れを汲みつつも、現在の(国内外問わず)ミュージック・シーンを見渡す中でそれを独自の解釈で捉えた。そういったアプローチが随所に垣間“聴ける”作品となったように感じています。

LYRICS CONCEPT それぞれの「もしも、あの時」「いつだって繋がっている」

サウンド面のみならず、現代の歌詞の世界観、表現方法にも変化が感じられるようになりました。よりダイレクトな表現を主軸とした作品がメインストリームである印象を受けます。 個人的には“憂いがある”と申しますか、十人十色な受け止め方をされ、後々議論に発展するほどの“奥行き”があり、リスナーのイマジネーションを刺激するような様式が好みではあるものの、結果として「一体この人は何が伝えたいのか?」となってしまっては本末転倒。その「さじ加減」と「世代を超えてリスナーの心に響く」は芸術家にとっての永遠のテーマですね。 今作の歌詞描写に関しては幾分「直接的な表現」が増えているかと思います。それは決して意図したものではなく「現代音楽と向き合った結果、自然発生的に」と捉えて頂けたら幸いです。 ともあれ、田川伸治の最新作『PASSIONATE LOVE』が、皆さまに驚きと共感で迎え入れられる事を願って止みません。

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